ゲオルクの日記

多分三日くらいで潰れる

何の脈絡も無い話

 

好きだった漫画が打ち切りになるのはこの世で6番目くらいに悲しい。先日アクタージュという漫画が連載を終えた。その理由が理由だけに、この漫画を読んでいない僕の耳にもその噂は流れ聞こえてきた。アクタージュ、お前と戦いたかった・・・

それはさておき、同作のファンは不憫でならない。漫画家の仕事を題材にしたドラマや漫画で得た真偽不明の知識によれば、大抵漫画が打ち切られるときというのは数話前に担当編集から告知が行き、そこから数話の間に何とか生き別れの妹とか両親の仇とか宇宙誕生の謎とかを詰め込んで完結にこぎ着けるものらしい。そう、大抵の漫画は打ち切られても完結する。今回の場合完結すらできない。スッゴイカワイソ

最近完結した漫画で思い出深いのはジャンプSQ等で連載していた『こじらせ百鬼ドマイナー』だ。東京から親に連れられて四国の田舎に引っ越してきた人間の主人公が、手違いから妖怪の通う魍魎分校に転入してしまう……という、よくある妖怪もののストーリーだった。ただし登場する四国の妖怪たちは全国区では殆ど知名度のない「ドマイナー」な妖怪であり、それ故に色々と「こじらせ」ているというのがタイトルの意味になっている。妖怪の学校での日常譚を中心に話は進み、クラスメイトたちのキャラクターも段々分かってきたというところで連載は終了してしまった。全五巻。メインヒロインの飴宮さん(嘗女という妖怪で主人公を嘗めたいと思っている。可愛い)が可愛かっただけに残念だった。

しかし五巻というのは重用である。何も四巻で終わると縁起悪いよねとか、六は黙示録の獣に関する数字だよねとか、そういう話ではない。この漫画はメインキャラクターが5人なのだ。主人公(男)の他に女性キャラが3人、男のキャラクターが1人のグループを中心に話が進むことが多かった。メインキャラが漏れなく表紙に登場できるというのは結構重要なことだと僕は思っている。

ところで思い返してみると、アニメなどでは主人公の属するグループが「男2、女3」という編成が非常に多い気がする。この手のグループで最も有名と思われる人たちから拝借して、これを「SOS団型」と名付けることを提唱したい。既に散々言われてそうだけど。『かぐや様は告らせたい』の生徒会も二期の途中からSOS団型になった。『ゲーマーズ!』のゲーム同好会だってそうである。エヴァのコラボ用のイラストなんかは昔はシンジ・レイ・アスカの3人を描いたものが多かったが、新劇場版が始まってからはそこにカヲルとマリを足したものが増えたような気がする。「男2女3」はアニメ業界を席巻する黄金の男女比なのである。

理由は何となく分かる。特に男性向けアニメの場合、視聴者が感情移入しやすいよう主人公を男にする。それからメインヒロインを1人配置する。様々なニーズに対応するためヒロインをもう2人くらい増やす。それでは男女比が偏って締まりが悪いので男性キャラをもう一人ほど増やす。こうして自然発生するのがSOS団型のグループなのだろう。知らんけど。

それに現代は創作物にもリアリティが求められる時代である(そんなことを言う根拠は無いが、これは『現代はこういった時代である』と定義することでさも自らが世界の全てを掌握しているように見せかけ持論を展開しやすくする高等テクニックだから気にしてはいけない)。普通の男がなぜか美少女に囲まれている……という、所謂ハーレム設定はリアルではない。そういう設定にしたかったら今年から共学になった元女子高に入学したたった一人の男子生徒とか、そういう設定を付け足す必要がある。しかし男が2人のグループだとアニメオタクの脳は錯覚を起こし、「まあこういう人たちもいるのかな……」と納得してしまう。やれやれ、困ったものです(やれやれ系主人公)

話は変わるが、これは先日僕が繁華街を歩いていた時のこと。前方からやってくる高校生の集団が目に付いた。よく目をこらすと、どうか。それはなんと空想の産物と思われていた「男2女3の高校生グループ」だったのである。そのあまりの精神的な輝きに精神ドラキュラ伯爵である僕が耐えきれずその場で蒸発したことは言うまでもない。あんまり話変わってなかったね。

つまり僕が伝えたいのは、何事も空想妄想とすぐ決めつけるのは良くないということである。マクドナルドで世の中を斬るドイツ国籍の女子高生もきっと実在している。違う。そんなことはどうでもいい。僕が言いたかったのは、今からでも遅くないから『こじらせ百鬼ドマイナー』をドシドシ読むべきだということである。

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